学校法人において就業規則を作成する際に気をつけたい事項について調べてみました。

Pocket

本日は、労働基準法関係の基礎をふまえ、学校法人における就業規則の作成の注意点について記事にしたいと思います。

学校法人の経営者にとっては、労働基準法をはじめとする各種労働法を理解しておくことはとても大切なことです。

本日は特に就業規則の作成について焦点を置きながら解説したいと思います。

労働法の体系について

労働基準法はマニュアルではなく、最低基準を定める法律であり、労働契約で最低を下回る部分は無効となります。(労基法13条)
日本の法律全体は、ぼやかしが多く、様々な解釈ができるが、総じて労働者の法益を犯してはならないことに注意が必要です。

【就業規則について】

 就業規則の変更においては、労働者に義務を課す場合、労働者の同意と周知、及び合理性(労働者にとって不利益とならない等)が必要であり、労働基準監督署への届出をもって効力を発揮します。(労契法9・10条)

ただし、労働者に権利を与える場合は、上記の手続きを踏まなくても効力があります。

なお、学校法人が就業規則を作成した場合は、当たり前ですが教授会や大学運営会議、

理事会や評議員会の審議を通す必要があります。

また、就業規則については教職員がいつでも見えるところに掲示をすることが義務付けられて

いますので、社内ネットワークや掲示板などで教職員に周知することが必要です。

【性別による差別について】
 

男女雇用機会均等法5条では、性別を理由に採用を拒否することはできない(賠償の対象)が、その人を必ず採用しなければならない訳ではありません。

ただし再雇用の場合は、その人を採用(再雇用)しなければなりません。
なお、当然ですが労働においては、同一賃金・同一労働が原則となります。

同一労働同一賃金については、別途お話ししたいと思います。

【労働契約について】

採用時、労働契約の締結に際し、労働条件の明示は必須です。

入社前に、求人票に記載された条件から変更が生じる場合、本人が同意すればOKであるが、同意しなかった場合は無効となり、

さらに不利益変更をする場合は違法となるので注意が必要です。

入社前の待遇の説明は、人事として最も重要な業務の一つです。

労使ともに労働の契約期間を守る義務があり、反すれば損害賠償となるケースもあります。

なお、期間の定めがなければ使用者から辞めさせるのは至難であり、よほどの客観的合理的な事由がいることになります。

正教職員を採用するときは、しっかりと面接などで見極めが必要です。

特に雇用期間の定めのない正社員採用においては、よほどの事由がない限り使用者から辞めさせるのは至難であるため、失敗の許されない採用活動となる。

売り手市場が続き、人材確保が困難な中で、他の会社の採用動向を鑑み、戦略的に優秀な人材が獲得できるよう努力が必要ですね。

【採用について】

一般的に採用内定取消は過去の判例でも、企業側が負けることがほとんどです。

ただし、実際は裁判まで行かず、損害賠償を払うケースが多くあります。

学校法人においても、元教職員と大学が揉めているケースも多々あります。

ただし、企業側が常に不利な訳ではありません。

客観的に合理的な事由(病気・事故・会社の経営が傾く等)があれば、この限りでありません。

内々定は、企業により意味が違うが、内定に近いものであれば法的効力は発生します。

中途採用における、契約締結上の過失(待遇・条件が説明されていない等)があれば、使用者が賠償金を払うケースもありますので注意が必要です。
なお、試用期間は、合理性があれば教職員を解雇(労働契約の解約)ができます、就業規則に明示しておくと良いでしょう

【人事異動について】

人事異動もある学校も多くあるでしょう。

学校法人の異動における指揮命令に従うことが、労働契約に含まれていれば、合法であり、その権利を濫用し
たものでなければ教職員は従わなければなりません。

ただし、育児・介護休業法26条にもある通り、配慮が必要なケースもあります。

いかがでしたでしょうか?

就業規則はいわば学校法人で働く教職員のバイブルのようなものです。

しっかりと教職員に対して周知を行い、健全な組織運営を心がけたいものです。
 

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする